葬式費用: 葬式を2回に分けて行ったら?

前回のコラムで、相続財産からひけるものの代表例として、葬式費用をご紹介しました。

その中で、本葬式とは別に行われた、初七日・四十九日などの法要は葬式費用にはならない
ことをご紹介しました。

では、葬式を2回(例えば死亡時の住所地と出身地のそれぞれで行った)行った場合には、
どちらも相続財産からひくことができるのでしょうか?

国税庁の回答事例で、下記のような例が紹介されています。

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(1)経緯

 ・ 被相続人の告別式を、死亡時の住所地であるA市と出身地であるB市の2か所で行った。

   - B市に在住する親族、幼なじみ及び生前お世話になった方にも見送ってもらうとともに、
     B市での告別式の参列者への生前の感謝の意と便宜を図りたいという遺族の意思。

 ・ A市及びB市での告別式は、いずれも仏式により行った

   - A市の告別式は、被相続人の死亡後2日後、被相続人の遺影及び遺体を祭り、
     僧侶による読経とともに、職場や近所の方が焼香等を行う仏式により行った。

   - B市の告別式は、A市での告別式の4日後、遺影及び遺骨を祭り、僧侶による読経ととも
     に、B市に在住する甲の親族、幼なじみや生前お世話になった方が焼香等を行う
     仏式により行った。

 ・ また、納骨はB市での告別式の約1月後に行った。

(2)結論

 ・ A市及びB市の告別式に要した費用は、いずれも葬式費用に該当

 理由①:A市での告別式は、遺影及び遺体を祭り、僧侶による読経とともに、甲の職場や近所の方が
     焼香等を行う仏式により行われたものであり、死者を葬るために行われた儀式であり、
     その告別式に要した費用は、葬式費用に該当。

 理由②:B市での告別式は、納骨前に行ったものであり、その内容も遺影及び遺骨を祭り、
     僧侶による読経とともに、参列者が焼香等を行う仏式により行われたもので
     A市での告別式と同様であることから、死者の追善供養のため営まれる法会(法事)
     ではなく、死者を葬るために行われた儀式であると考えられるため、葬式費用に該当。

 

今回のケースの場合、2回に分けて行われていますが、ともに死者を葬る儀式と考えられるため、
どちらも葬式費用に該当すると判断されています。

 

葬式費用の範囲は、宗教や地域的慣習によりその様式が異なるため、何が葬式費用に該当するかを判定するのは難しいため、相続税法基本通達では、葬式費用の範囲を基準として定めているのです。

なお、前回のコラムでもご紹介したとおり、

初七日・四十九日・一周忌などの死者の追善供養のため営まれるものは、葬式費用に該当しません。

相続税の申告にあたっては、どのように営まれてたかがわかる費用の明細などを準備頂き、

税理士に渡して頂くとよいと思います。

 


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