2016.08.15葬式費用 : 相続財産からひけるもの(1)
ご相続が発生して、まず行われるお葬式、納骨など。
相続税を計算するにあたって、被相続人の相続財産からこれらの葬式費用は控除することができます。
これは、被相続人に係る葬式費用が、相続開始(被相続人の死亡)に伴う必然的出費であり、社会通念上も、いわば相続財産そのものが担っている負担ともいえることを考慮しているからです。
ただし、葬式費用のうち、相続財産から控除できるものと控除できないものがわかれているため、
相続税の計算にあたっては、注意が必要です。
葬式費用として、相続財産から控除できるもの
遺産総額から差し引く葬式費用は、通常次のようなものです。
・ 葬式や葬送などに係る費用(お通夜、お葬式)
・ 葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用(お布施、読経料、戒名料)
・ 火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用
・ 死体の捜索又は死体や遺骨の運搬にかかった費用
・ 遺体や遺骨の回送にかかった費用
葬式費用に含まれないもの
一方、次のような費用は、遺産総額から差し引く葬式費用には該当しません。
・ 香典返しのためにかかった費用
(頂いた香典が所得税・贈与税などがかからない非課税となるためです。
ただし、香典返しとは別の会葬御礼については葬式費用の対象となります)
・ 墓石や墓地の買入れのためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用
(これは、墓石や墓地が相続税の非課税となるためです)
・ 初七日や法事などのためにかかった費用
(本葬式とは別に行われた、初七日・四十九日などの法要は葬式費用にはなりません。
ただし、最近では本葬式当日に初七日を行うケースがほとんどかと思います。
その場合は、領収書・明細などで金額が明確にわかれる場合を除き、
社会通念に照らして本葬式と一貫のものとして妥当かどうかを判断します。)
・ 医学上又は裁判上の特別の処置に要した費用
領収書や明細はきちんととっておきましょう。・・・でもお布施って?
以上のように、同じ葬式費用でも、相続財産から控除できるもの/できないものが
細かく分かれています。
そのため、実際の相続税の申告にあたっては、相続人の方から葬式費用の領収書や明細をいただき、
そこから控除できる金額を拾い上げていく形をとります。
そのため、ご葬儀にあたって葬儀社や配膳業者などからもらった領収書や明細はまとめてとっておく
ことをおすすめします。
ただし、お寺さまへのお布施や読経料など、実際には領収書がでないものもあると思います。
その場合には、相続人の方に出納メモを頂ければ控除することができます。
(ただし、その金額は当然ながら社会通念上、通常要すると認められる範囲内となります)
ご相続が発生し、お通夜やご葬儀などあわただしく時間が過ぎてしまうことと思いますが、
かかった費用などの明細はまとめてとっておき、相続税の申告を依頼した税理士に全てわたす・・・
というのが、最も負担の少ない方法かもしれませんね。
税理士法人TOTAL資産税本部では
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