2016.08.04父と母が相次いでなくなった・・・相次相続控除とは
”数年前に父が、今年母がなくなった・・・父の相続のときには母もかなり相続税を払っているのだけど。”
ご両親が相次いで他界されたり、ご相続が相次いで起こることは決して珍しいことではありません。
こういった、相次いで相続が起こった場合、相続税の軽減措置があるのをご存知でしょうか?
相次相続控除とは:相次いで相続が起こったときの相続税額の軽減措置
たとえば、このようなケースを考えてみましょう。
・ 数年前:父がなくなり、「財産」を相続した母が相続税を納税した
・ 今年:その母がなくなり、母の「財産」に対して、相続税が課税される
このようなケースの場合、同じ財産に対して短い間に2度の相続税が課されることに。
それは、あんまりでしょう・・・ということで、設けられている制度が「相次相続控除」です。
細かい計算式は省きますが、簡単にいうと、
1次相続で払った分、2次相続の相続税が軽減される、という形になります。
相次相続控除の要件とは
ただし、「数年の間に相次いで相続が起れば、全て相続税が軽減される」わけではありません。
上でご説明したような、「それはあんまりだよね」というケースに対しての措置ですので、
相次相続控除の適用にはいくつかの要件があります。
① 2次相続の被相続人が1次相続の相続人であること
・ 相続放棄をした人や相続権を失った人が遺贈により財産を取得した場合は適用はありません。
② 1次相続と2次相続の間が10年以内であること
③ 2次相続の被相続人が、1次相続において相続を取得し、相続税が課されていること
上記の全てに当てはまる場合に、「相次相続控除」が適用となるのです。
相次相続控除が適用されないケース
つまり、「数年前に父が亡くなり、今年母が亡くなった」というケースでも、
下記のような場合には相次相続控除の適用はないということになりますのでご注意ください。
・ 母が亡くなった。2年前に父が死亡しており、私は相続税を納付している
・ 母も父の相続で財産を相続したが、配偶者の税額軽減により相続税額はゼロだった
・ 今回の母の相続で私は母の財産を相続した
この場合、上記要件の①(2次相続の被相続人は1次相続の相続人)、②(相続の間が10年以内)
は満たすのですが、母が相続税を払っていないため、要件③を満たさないためです。
相次相続控除はどうやって適用するのか?
相次相続控除は、
・ 2次相続の際の相続税の申告書で第7表「相次相続控除の計算書」を提出
・ 添付書類として、1次相続の際の相続税の申告書の一部のコピーを添付
することにより、適用されます。
そのため、2次相続の相続税の申告を税理士に依頼する際には、忘れずに伝えることが大切です。
なお、TOTALでは、もらさずお客様から情報をお聞きできるよう、
ヒアリングシートに「10年以内に相続が発生されましたか?」という項目を設けています。
(手前味噌で恐縮です)。
受けられるはずの税額軽減が受けられずに終わってしまった・・・
そんなことにならないようにしたいものですね。
税理士法人TOTAL資産税本部では
秋葉原、新宿、船橋、大宮、横浜他、便利な10拠点にて相続税申告・贈与のご相談を
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