生命保険文化センター様のHPにて「生前贈与のポイント」についてエッセイを執筆しました(2021年3月)

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生前贈与のポイント

高齢化の進展に伴い、多くの方々が「相続」問題に直面し、また、事前対策の必要性を実感するようになっています。その対策の一つとして「生前贈与」が注目されておりますが、特に贈与税については、世間の感覚と税務上の取扱いとのズレが大きいと感じます。今回は、生前贈与の税務上の注意点を確認したいと思います。

一般の贈与(暦年贈与)のメリットと注意点

生前贈与について、特例的な贈与税(非課税)の制度もいくつかありますが、最も活用されているのは一般の贈与(暦年贈与、以下「暦年贈与」)です。
暦年贈与のメリットは以下のとおりです。

1 使い道や期限、贈与を受ける相手などの制約がない
2 毎年110万円の基礎控除がある

したがって、複数回の贈与を行う場合は、年単位で基礎控除額を活用することができ、結果として大きな金額を税負担少なく贈与することが可能です。また、特例的な非課税制度の場合、要件未達や添付書類の漏れによる特例(非課税)不適用などのケースもあり、細心の注意が必要となりますが、暦年贈与の場合は、そうしたリスクが少なくなります。

ただし、制約がない分注意すべき点もあります。
最も注意すべきは「名義預金」です。例えば、祖父母が孫の名義で銀行口座を開設し、孫に知らせず積立を行っていた場合、贈与がないものとして扱われるケースがあります。
贈与は、一方が金銭などを無償で相手方に与える意思を示し、相手方が受諾することによって成立します。「名義預金」の場合は、贈与を受ける相手方が、その事実を知らない、つまり受諾していないので贈与が成立していないとされるわけです。
こうした事態を避けるため、贈与をする際は以下のとおり対応することが望ましいです。

1 毎回、贈与契約書を作成し、署名・捺印する
2 贈与金額は、贈与者の銀行口座から受贈者の口座へ振り込む
3 受贈者は、2の振込口座の通帳・印鑑を自身で管理・保管する
4 贈与税が発生する場合は、受贈者自身の資金で贈与税を支払う

これらは、どれか1つ対応すれば安心といったものではなく、対応項目が増えるほどリスクが軽減していく性質のものです。ただし、実態も考慮されますので、例えば、受贈したお金が長年にわたり一度も使われていないケースなどでは、すべての対応を行っていたとしても、ある程度のリスクは残ります。

 

生命保険と生前贈与

生命保険は、贈与とかかわりが深いです。「保険料支払い」、「名義変更」「保険金受取り」のそれぞれの場面において留意点をご紹介します。

1.保険料支払い
生前贈与を受けたお金をそのままにしておくと、贈与がないものとされるリスクが高まりますので、お金の使い道として生命保険に加入するのも選択肢の一つです。なお、受贈したお金により生命保険に加入する場合、前述の対応に加え、次の点にも注意が必要です。

(1)保険料は、受贈者の口座から引き落としをすること
(2)贈与者は、受贈者が加入した保険につき生命保険料控除を使わないこと

さらに、贈与を受ける際の口座を受贈者が日常利用している口座とし、その口座から保険料の引落しをすると、贈与がないものとされるリスクが、より軽減されます。

2.名義変更
就職、結婚などを機に保険の契約者を親から子どもに変更するなどの契約者の名義変更をすることがあります。契約者を変更した場合、変更時点では贈与税はかかりません。贈与税がかかるのは満期等の保険金受取時点です。変更前と変更後で、それぞれの契約者が負担した保険料の割合に応じて、保険金等を按分し、変更前の契約者が負担した保険料に見合う保険金に贈与税がかかることとなります。
なお、保険金受取人の変更も変更時点で贈与税はかかりません。受取人の変更の場合は、変更前を考慮せず、保険金受取時の受取人でのみの判断となり、契約者、被保険者、受取人の関係で所得税、贈与税、相続税などの対象となります。

3.保険金受取り
契約者、被保険者、受取人の関係で所得税、贈与税、相続税などの対象となります。贈与税の対象となるのは、死亡保険金受取時では、契約者、被保険者、受取人の3人とも別人である場合となります。また、満期保険金受取時は、契約者と受取人が別人の場合は贈与税の対象となります。

 

掲載元リンク

公益財団法人生命保険文化センター https://www.jili.or.jp/kuraho/2020/essay/web12/web12.html

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